終わった世界と、現実世界と、夢の狭間で(第一章・第3話)


ここまでのあらすじは以下です。

終わった世界と、現実世界と、夢の狭間で(プロローグ)

終わった世界と、現実世界と、夢の狭間で(第一章・第1話)

終わった世界と、現実世界と、夢の狭間で(第一章・第2話)




御者「幸村様、お待たせ致しました。王城へと到着致しました。ここから先以降は馬車での通行は禁止ですので、ご送迎はここまでとなりますのでご了承下さい。」

御者が馬車の扉を開けて、そう言うと深くお辞儀を幸村にした。

幸村「ああ、分かってるよ、ありがとう。」

幸村は馬車から降りながら、御者にそう言葉を返すと、目の前にある王城敷地内へと繋がる正門へと幸村はゆっくりと歩き出した。

王城へ入城する為にはいかなる者でさえも、正門前の横にある衛兵詰所にて入城許可証を貰う必要があったので、幸村は衛兵詰所前にて立番している2人の衛兵に話しかけた。

幸村「本日、王様より招集をかけられし者の一人、聖天(せいてん)家の聖天幸村と申します。ぜひとも入城の許可を頂きたい。」

衛兵「聖天家の聖天幸村様、ご足労頂きありがとうございます。それでは入城の前に失礼ながら、聖天家の証をお見せ頂けますでしょうか?」

幸村は服に隠れていた首にかけられた首飾りを、手で取り出して首飾りに刻まれた聖天家の龍の証を衛兵に見せた。

衛兵「ありがとうございます。間違いなく、その龍は聖天家様の証。それでは、こちらの衛兵が聖天幸村様を王城の中へとご案内させて頂きます。」

もう一人の衛兵が衛兵の言葉に従い、幸村にお辞儀をしてから言葉を発した。

衛兵②「では、本日招集された皆様が待機されています、お部屋へとご案内致します。」

幸村「ああ、頼む。」

そして、幸村は衛兵②の3歩後ろから衛兵②と共に正門を潜り抜けて、王城の中へと入城していった。

王城には衛兵宿舎、使用人達も住んでおり100人は住めると思われるぐらいに広く、1階から7階、そしてその上には屋上、更に1階の下には地下もあり、ちょっとした迷路に迷い込んだような気分にさせられるような大きさである。

最大の特徴は外見の中世的な建物とは裏腹に、内部は近代的な技術が取り入られている部分であった。

その1つに王城内にはこの国の技術が誇るエレベーターという近代技術の機械がある。

エレベーターという名の昇降機(しょうこうき)とは、人や荷物を載せて垂直または斜め・水平に移動させる箱のような物である。

衛兵はエレベーター前にて立ち止まり、壁に備え付けらたエレベーターのスイッチを押す。

すると、エレベーターのドアが開く。衛兵が先に幸村をエレベーター内に乗せてから、最後に自分が入ってからエレベーター内にある備え付けの小さな機械で3階という文字を押した。

衛兵「皆様は3階にございます、ダイアのお部屋の間にてお待ちしております。」

衛兵の言葉に幸村は無言で頷き、そのままエレベーターは3階に上がっていった。

3階に着くと、エレベーターの扉は自動的に開き、衛兵が幸村を先にエレベーターから降りさせてから、自分も降りた。

再び衛兵が幸村の前に出てから、3階にあるダイアの間という部屋へと案内する為に進み出した。

3階の通路を進むと途中に何か所も部屋が左右両側にあり、また通路内には花瓶や絵画等も飾ってあった。5分程進むと、衛兵が通路の途中で立ち止まる。

衛兵「こちらの右側のお部屋がダイアの間でございます。」

幸村「分かった。ここまで案内してくれてありがとう。」

幸村の言葉に衛兵は無言でお辞儀を深くして返す。そして幸村がダイアの間の部屋へと入って部屋の扉が閉まるまでお辞儀を続けていた。

ダイアの間の扉を開けた幸村の目の前には大きな円形のテーブルと、その先には大きな窓があり窓からは外の日差しが部屋に降り注いでいた。また、部屋のあちらこちらには手の込んだ生け花が沢山飾ってあった。

部屋の中央に位置する大きな円形のテーブルにて、4人の人間と獣人2人の合計6人が円形のテーブルに丸い列を組むようにそれぞれが椅子に座っていた。

また、部屋の隅には王城内護衛の衛兵達が数人と、テーブル席に座っている今回招集された者達の中の誰かしらの専属護衛と思われる者も数人立っていた。

部屋に入った幸村にテーブル席に座っていた6人の内の1人が入室した幸村に気づき、手を振りながら幸村に声をかけた。

男「おおー!幸村!!久しぶりだなー!!」

幸村と同世代に見える若い男が、笑顔で大きな声で明るく幸村にフレンドリーに話しかけてきた。

幸村「久しぶりだな、ニコル。相変わらず元気そうだな。」

ニコル「まぁな!ま、とりあえずここに座れよ!!」

ニコルが自分の隣の椅子をポンと叩きながら、座るように勧めてくるので、幸村は他の招集されたメンバーに軽くお辞儀をしてから、ニコルの隣の席へと腰をかけた。

幸村の聖天家とニコルのハスタード家は幸村の祖父の代からの盟友であり、お互いの両親も仲が良いのでニコルとは幼い頃からの付き合いがあり、お互い親友という関係柄でもあった。

ニコルも幸村同様に若くして親から跡目を継ぎ、現在はハスタード家当主であった。

椅子に座った幸村の肩をポンと叩き、ニコルが今度は幸村だけに聞けえるぐらいの小声で話しかけてきた。

ニコル「此度(こたび)の招集、やはり招集の理由とあの噂は本当だと思うか?」

幸村「ああ、恐らくは・・・な。」

ニコル「・・・・・・。」

ニコルは先程までとは違い、やや暗めで厳しい顔つきなった。

また、幸村も同様だった。

と、その瞬間に幸村の背中に乾いた小さな痛みとバンッ!という音が鳴った。

ニコル「ま、心配するなよ!仮に何があっても俺達は親友だぜ!!」

ニコルが幸村に背中を叩き、再び明るい顔つきでそう幸村に言った。

幸村「ああ、そうだな。」

と、その時・・・

ダイアの間の扉が開いた。

そこから入室してきたのは、聖なる白いローブを纏い(まとい)、右手には先端が龍の顔の形をした細長い杖を持ち、顎鬚を伸ばした年齢60歳ぐらいの魔法使いと呼ばれる男であった。

魔法使いとは、古代より伝わる魔法と呼ばれる特殊な術が使える者だけに与えられるエリート職の称号である。

この魔法使いは現在王国ナンバー2の地位に位置しており、その信頼から実質的な国の運営を任されており、そして同時に国王を守る最強の護衛役でもあった。

その名は王国の魔軍師こと、D・ハンド・カイザー。

入室してきたカイザーとその護衛兵2人が部屋の奥に進み、中央に位置する円形テーブルに座る6人の者を見渡せる1番奥の窓際の壁に進み、壁を背に切り替えてから円形テーブルに座る6人の者達の真正面を向き、立ったままでその口をゆっくりと開いた。

カイザー「本日は王城までご足労頂き、感謝する。早速だが、諸君らを招集した理由を話そうと思うが、質問は話しが全て終了してからにして欲しい。ここまでいいかね?」

招集された7人が無言で頷くと、カイザーは円形テーブルの空いている席に移動して椅子に座ってから再び話しを続けた。

カイザー「もう既に噂にもなっているようだが、このアステリア島を統治するエンシェントドラゴンが死んだ。いや、何者かによって殺された。」

それを聞いた室内の者達にはざわめきが起こった。皆が噂で聞いていた内容はエンシェントドラゴンが長い寿命で息絶えたことだったことに対し、実際は何者かに殺されたことが想定外だったからである。

室内に響くざわめく声をカイザーが止めると、再び会話を続けた。

カイザー「エンシェントドラゴンが誰にによって、一体何のために殺されたのかは今のところ分かっていない。だが、どちらにしろドラゴンは死んだ。これにより、白と黒の契約が完全に切れたことだけは確かなのだ!」

カイザーの言葉に再び、室内にざわめきが起こった・・・・。

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この世界は4つの大きな大陸と、小さな幾つもの島国で構成されている。

そして、その中の幾つかの島国では人以外の神々の下僕であるといわれている存在が実質的にその島国を統治している。

幸村が住む、このアステリア島もその中の島国の1つだ。

古来よりアステリア島は、白と呼ばれるホワイトユニコーンと、黒と呼ばれるブラックユニコーンの2頭がこの島の覇権を巡って数百年間争いをしてきた。

ホワイトユニコーンの支配下で暮らす人々、ブラックユニコーンの支配下で暮らす人もまた白側と、黒側に分かれてそれぞれの主たるユニコーンの命令に従い、半ば強制的に争いをして沢山の血を流してきた。

だが、この醜い争いを止めようとした神々がアステリア島にエンシェントドラゴンをこの島の統治者にすべく、天界より派遣したのである。

そして、エンシェントドラゴンの力により2頭のユニコーンはドラゴンとの契約の下に争いを止め、その後は人間が近寄れない結界の中で数百年間という長い歳月眠りについたのであった。

だが、エンシェントドラゴンの死によりその契約は切れた。

白と黒のユニコーンは再びこのアステリア島の覇権を巡り争うべく、数百年という長い長い眠りから今目覚めようとしていたのであった・・・・・

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