ギャンブル依存の末路:第6話「ミリオンゴッドの虜にハマった女の末路」(後編)

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前回の続編です。

プロローグこちら→ギャンブル依存の末路:第4話「ミリオンゴッドの虜にハマった女の末路」(プロローグ)
前々回はこちら→ギャンブル依存の末路:第4話「ミリオンゴッドの虜にハマった女の末路」(前編)
前回はこちら→ギャンブル依存の末路:第5話「ミリオンゴッドの虜にハマった女の末路」(中編)

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ミリオンゴッドで15000枚(30万円)を手にした翌日、私はいつも行くパチンコ店にいた。でも、今日はいつも打つA400タイプじゃない。そう、昨日友人の誘いで打ったミリオンゴッド。

昨日の夜からずっとあのメダルが永遠と出てくるような快感・興奮が頭から離れない。朝起きた時にも私の頭の中は「ミリオンゴッドを打ちたい」それだけだった。だから、気が付けば行き慣れたパチンコ屋の開店待ちをしていた。

------開店後。

私は直ぐにミリオンゴッドの島に進んだ。15台ある中で、なんとか最後の空き台に座ることが出来た。それがとてもとてもラッキーに思えた私。両隣の人は既に打ち始めている中、私は1万円札を両替に一度離席した。

とりあえず両替機で3万円分を30枚分の1000円札に両替してから台に戻った。今までは1万円札を両替してから10枚の1000円札が全て無くなってから、再び新しい1万円札を両替していた。でも、この台を打ってる人達のほとんどは一気に2、3万円を両替していたから、私もそれを真似た。

たったそれだけの行為が私には新鮮で、これから本当のギャンブルをするんだ!という気分になったのを感じた。それが妙に心地いい。思えば前々から刺激を求めていた。だから、日々パチンコ屋に来ていた気がする。でも、A400タイプしか打たなかった、いや自分からは打てなかった爆裂AT機。

私の心の中では本当はずっともっと刺激のあるパチスロ台が打ちたかった。それが昨日、友人の誘いを理由に打てたことで、私はやっと一歩踏み出せた気がする。

それが嬉しかったし、求めていた刺激に出会えた。

いくら刺激を求めていたとはいえ、最初は1万円がなくなるスピードの速さに唖然とした。でも、慣れたら少し現実離れした非現実的な世界にいることのような気がした。

すこし時間が経過したら、周りの台の中から当たりを引いた台がチラホラ出てきたけど、まだ私の台に当たりはないまま両替した3万円分の30枚の1000円札がメダルサンドに全て飲まれた。一度離席して再び両替機で3万円分をまた両替してから、再び台に戻って打ちだす。

自分でも金銭感覚がズレてきているのを感じてきていた。それと同時に身体の全て、頭から足のつま先までも全てが熱くなっているような気がした。その感覚は打てば打つ程に強さが増していくような気がする。いや、確かに増していた。

———-数時間後

------なぜ、なんで私はミリオンゴッドに10万円も使っているんだろう??

そもそも、何故ミリオンゴッドを打ってるの??------

ふと、私はそう呟いた。両隣に人はいるが、店内の騒音の中では誰にも聞こえることはなかった。

気が付けば財布の中に入れていたお金が全部なくなっていた。所持していたメダルは0枚。3回程の当たりを引いたが全て飲まれただけで、朝財布に入れていた10万円がないことに恐怖と怒りを覚えながらも、同時に「また、行きたい!」と強く思った。

「明日もまた行こう!明日はGOD揃いを引けるよね。」

あのGOD揃いから爆発した出玉の興奮をもう一度・・・・
そして今日負けたことで悔しさから生まれた身体中が熱くなる感覚、それが私にとっては非現実的であり、それは何故か心地いい刺激だった。

だから、その刺激を求めて翌日も、その翌日も、とにかく毎日私はミリオンゴッドから味わえる刺激を求めてパチンコ屋に通った。

——いつしか私はミリオンゴッドの虜になり、ミリオンゴッドに依存していた—

10万円使ってGOD揃いを引いて負け分を取り返す、その出玉も翌日には全部消えている。GOD揃いを引けない日は大抵負けた。たまに普通のGGから謎の連チャンをして1万枚出ることもあったけど、それも2日もあれば全部勝ち金はなくなっていた。

いつしか私の目つきはジャンキーのような目にしか見えなくなっていた。あの日、友人冴子の誘いで初めてミリオンゴッドを打ちにいった時に冴子の目のように・・・。

その冴子とはもう連絡が取れなくなっていた。携帯料金を支払っていないのか、いくら電話してもアナウンスが流れるだけで繋がることはなかった。

数か月経過した頃、私の貯金は全部なくなっていた。私は貯金が尽きても打ちたい思いから、サラ金で作ったカードを使い打ち続けた。

もう完全に私はあのミリオンゴッドというパチスロ機中心の生活をしていたし、人生そのものがミリオンゴッドに捧げている気すらしてくるようだった。

自分からはもう離れられない、このミリオンゴッドの依存からは・・・・
自分からは抜け出すことは無理、でも強制的に私はこのミリオンゴッドを打つことが出来なくなった。

何故、そうなったのかは簡単。

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

2003年10月に「大幅に射幸心を煽る機種」として検定取消の処分を受け、一斉撤去されたから・・・。

パチンコ屋からミリオンゴッドがなくなった日、私は心の中で安堵していた。でも、それとは裏腹に仕事人間だった人が定年を迎えて生きがいをなくしたような人のような気分だった。

その後、友人の冴子が自殺をしていたことを知った。どうやら冴子は爆裂AT機にのめり込み、返しきれない多額の借金を抱えており、サラ金以外からも親・親族等からも借金をしていたらしい。冴子の自殺の原因が借金かは不明だが、少なくとも関係性はあるだろう。

そして私も貯金を全部失って残ったのはサラ金の借金だけの中で、全てを失って何も得ていないはずの私は”何か”を得ていた。それが刺激だったのか、非現実的な快楽という時間だったのか、それとも身体中が熱くなる程の興奮だったのかは分からない。

でも、確かに私はその”何か”を得ていたのだ。

------10年後------

あれから10年。

あの時代のことを思い出す日がたまにある。当時、あのミリオンゴッドという魔のパチスロ機に出会えたことは今でも良かったのか、悪かったのか?

答えは出ていない。

ただ、私の中ではあの当時の時間は特別な時間だった気がする。今は結婚もして幸せな家庭も築いている私だけど、もしも、またあの初代ミリオンゴッドを打てるならば・・・

その時には今の家庭とミリオンゴッドという天秤を揺らして、どちらを選択するのかな??

普通は家庭が当たり前の中で、私はもしかしたら初代ミリオンゴッドを選択して家庭を失うのかもしれないなと思う。

だって、現在でも、そしてこれからも死ぬまで私は初代ミリオンゴッドの虜から抜け出せないのだから・・・・。


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